2010年6月26日土曜日

休校日ですが・・・

実は本日休校日なのに研究室にいます。

 明日セミナー講師を90分4コマやるのでその準備に追われています。本業ではないのにこんなに力をいれて、と大学経営陣からは怒られるかもしれませんが、そのセミナーの参加者(本学卒業生、専門学校の卒業生も多くいます)の熱意に後押しされているのは言うまでもありません。

ですが、本来ワタシが情熱を注ぐべき対象は・・・

 「起立、礼」の号令を掛けているのはHPS学科だけかもしれませんが、それは礼を重んじるからです。HPS学科の目指す資格は「柔道整復師」、世界中どこを探してもスポーツ・武道の名前が資格に含まれる医療資格はほかにありません。

その「柔道」は礼に始まり、礼に終わります。

君たちの「礼」、はバットを振る真似をすることか?

 普段の教室での講義とちがう実技室での授業で、最後列の数人の態度のこととは言え、礼を欠くこと甚だしく、その瞬間にワタシはそのクラス全員が「礼」の代わりにバットを振る動作をしたと受け止めてしまいました。

その授業の1コマ前は「柔道」の実技、そこでは礼を身体で教わっているはず。

その学年は実技の授業は2年目、これまで実技を担当してくれた先生方は何も言わなかったのか?

君たちが侮辱したのはワタシじゃない、これまで君たちを指導してくれた教員全員を侮辱したんです。

 ちなみに実技って、「メシの種」です。昼の専門学校を挟んで1日10時間整骨院で働いて、月に5万円もらえたら御の字、というなかで身につけた先生もいれば、師匠から殴られながら教えてもらったという先生、見て盗め、と言われて本当に毎日タオルをたたむだけしかさせてもらえないなか身につけたという先生もいます。

 技術を身につけるまでの苦難の道を振り返って、そしていつか自分が看板を出してやらなければならない時がくる、と思ったら本当は話したくないんです、でも熱意でぶつかってくる学生の気持ちには応えたくなる・・・それがこういう世界の教員の習性なんです。

 その講義は、自分なりには頑張りましたよ、けど、もう正直どうでもよくなってしまい、折れた気持ちが戻ってくることはありませんでした。

 悪いけど、そんな礼を欠いた人には絶対に自分や自分の身内の身体に触れて欲しくないし、治療の資格なんて取らないほうが世のため人のためじゃないの、とまで思った自分がいました。

 ワタシも顧みるところはあります。このところ週末に講演だとかシンポジストとか詰め込んでいて、本業が惰性になったのを皆さんが肌で感じて、皆さんに対して礼を失してたのかもしれません、教員なので、

「うまくいったら学生のおかげ、うまくいかなかったときは自分のせい」

という気持ちが基本でいますので、こうして講演の準備とかしていると、申し訳ないという気持ちにもなります。

 ここはあくまでMTIのブログ、ここでMTIメンバーじゃない学生のしでかしたことで愚痴るのは心苦しいですけど・・・

閑話休題

 さて、3年生が学科を超えた集まりで宴会をする(顧問としてはなかなかいい企画じゃないか、と感心しています、MTIもそういう集団になって欲しいし)というなか、

「今週は僕が仕切ります、これまで学んだことの復習の時間にします」

と威勢のよさを見せてくれたみき君、顧問が心配になって様子を見に行ってみると・・・


 こんな状態になっていました。こんな状態をみき君だけに一人占めにさせておくのは非常にもったいないので、ワタシも2年生のメンバーのここまでの上達ぶりを確かめさせてもらいました。

 決して上手だとはまだ言えませんでしたが、こうして限られた時間や環境で最大限努力して学んでいる姿を見ていると、こんな人に治療してもらいたい、と思いますよね。

 反対にどんなに学校の成績が良かったとしても、礼を欠く人には絶対に身体に触れてほしくない、結局は人間性が問われる仕事なんです。

 ワタシが留学した大学のヘッドトレーナー(後にNATAの会長も務めた)がプログラム編入の初日、私たちに

「あなたたちにいいアスレティックトレーナーになってもらいたいなんて思っていない、いい人間になってここを卒業してほしい」

と言われた言葉が痛いほど沁みてきた週末です。



4 件のコメント:

  1. セミナーお疲れ様です。
    金曜日はお時間ほとんどとらせてしまい申し訳ないです(汗)

    なるほど。そんなことがあったのですか…

    >君たちが侮辱したのはワタシじゃない、これまで君たちを指導してくれた教員全員を侮辱したんです。

    これって実技に限らずですよね?よく考えると、起立、礼の習慣って幼稚園のころから高校まで自然と勝手にやって来たものですよね!?
    他の大学の友達にはよく大学行ってまで起立、礼あるん!?と言われますが、大学生は教員に対して礼は必要ないって…意味分からないですよね!?(人数の問題もあると思いますが…)

    いやあ、普段何気なくやっているからこそ、おろそかになりつつあることなので、考えさせられました。

    相手の気持ちを考えるのがいかに大切か、ですね。

    先生のお話で何度かお聞きしましたが、
    >「あなたたちにいいアスレティックトレーナーになってもらいたいなんて思っていない、いい人間になってここを卒業してほしい」
    こういう話のあとで聞くとさらに、身にしみます!


    金曜のMTIは2年だけで三木いじめ…(笑)
    写真は先生が来る直前の奴ですね。いい写真使っていただきありがとうございます(笑)この写真が私的にも一番自然に撮れたなあと思います。
    金曜お渡しした写真で英語の時間もっと三木をいじってやってください!!

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  2. セミナーお疲れ様です。

    金曜日はお忙しい中わざわざクラブにきていただきありがとうございました。

    先生の体にマッサージさせてもらうことで、自分の悪いところを指摘していただけるのでとても助かってます。

    最近、自分自信がたるんでいると思っているので、とても耳がいたいです。
    講義にしても実技にしても実習にしても身が入らない自分がいる気がします。
    講義してくださる先生方はそういう態度を見ているんですよね。
    何をしにここに来たのか考えさせられました。
    ありがとうございます。


    と思いながら前半部分を読んでいました。

    そして後半・・・・・
    忘れかけていた記憶がよみがえってきました。
    しかも明日は英語の授業があるじゃないですか・・・。
    変な汗がでてきました(笑)

    みんなが笑ってくれれば、それでいいです。
    あきらめます(笑)

    なんにせよ自分をもう一度見つめなおしてみます。



    「あなたたちにいいアスレティックトレーナーになってもらいたいなんて思っていない、いい人間になってここを卒業してほしい」

    いい人間になれるよう頑張ります。

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  3. 問題児M(^^)/2010年7月6日 2:56

    先日はお疲れ様でした(^_^)/
    2年振り(?)の顧問先生の講義…嬉しかったです♪
    学生時代、群を抜いて不真面目だった私が
    唯一の休日の日曜日に朝から夕方まで
    講義を受けている姿なんて
    関係者の皆さんには想像もつかない光景だと思います(^_^;)

    私も不真面目だったのでその学生たちの態度について何とも言えませんが(*_*)
    「あって当たり前」だと思っているのでは無いでしょうか・・・
    卒業した今、授業の有難さが身に染みてわかります。
    これを読んで私自身も改めて実感しました。
    同じ関西医療の者として、その学生さん達にも早く気付き
    いい人間になって社会に出てほしいと切に願います(>_<)

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  4. 問題児Mさん、コメントありがとうございます。


    >私も不真面目だったのでその学生たちの態度について何とも言えませんが(*_*)

    Mさんのクラスでは治療台を学生乗せたままひっくり返しましたよね(笑)。僕より年上の学生とすでに鍼灸の資格を持った学生さんでしたが、形だけの反省とそのあとの1年+の態度をみて、今ここをクビになったら、あの二人のどちらかの近所で開業すれば間違いないな、と確信しています。

    でも今回の学生さんはたしかに若いと言えばそれまでですが、ほかの先生方から聞いた話もあって、あれから2週間近くたった今も、

    「こんな奴に治療家になってほしくない」

    という気持ちは消えていません。教育放棄と受け取られても仕方ありませんが、60点欲しけりゃやるから、俺の前に顔を出すな、というところに近づきつつあります、正直な話。

    >唯一の休日の日曜日に朝から夕方まで講義を受けている姿

    ついでに安くない受講料を払って・・・ね。

    日曜に救急・応急処置について話していたら、なんと・・・

    http://sports.geocities.yahoo.co.jp/gl/healthatpt/view/20100705/1278265649

    引き寄せの法則って本当にあるんですよね。

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