2010年12月9日木曜日

MTI設立1周年を前に・・・

年の瀬、あわただしくなってきたこの頃・・・振り返ればもう1年が過ぎようとしています。

 部長のまえやま君と副部長のきたおか君から、マッサージを練習したい、その場所を常時確保するにはクラブとして形のあるものにしたい、と相談を受けたのは昨年の11月のことでした。

 私は引き受けるからには、ということで、ただマッサージを練習するのではなく、もっと深いところ、たとえば、徒手療法、手を使って治療する技術、の意義みたいなもの、まで勉強できるクラブにするべきでは、とアイデアを出させてもらい、まずは部員たちがやりたいことを優先に、いろいろ回り道しながら活動を続けてきました。

 マッサージに代表される、手を使った治療の技術はいろいろありますが、子供のころ、怪我をしたときに母親が傷口に手を当ててくれただけで痛みがどこかへ行ってしまった、というような記憶に代表されるように、人の手が触れる、それだけでも治療の効果はあるわけです。

それがゆえに、ピンからキリまで古今東西、多種多様の技術が存在するのですね・・・

 仮に、トンデモな技術があったとして、それでも顧問としては

「こんなの効かねえよ」

とバッサリ行くのは本意ではありません。顧問の主観からはそれはトンデモな技術だとしても、それが効くからその治療を受けたいという人が集まっていたりすることも多いのです。ですから、人がいいというものには必ずなにか意味があると思うようにしています。

 ただ顧問としては、大学で治療を学ぶもの、もしくは学んだものであるなら、自分が、この場面で使う、と選んだ技術には

「なぜ、それを使うのか」

というその人なりの理由がほしいと思っています。その理由があって初めて患者さんは納得して身体を任せることができる→治療の効果が上がる、と思っています。

「(スポーツなどで有名な)Xさんが受けているから」

という理由であれば、べつにその人じゃなくて、そのX氏に施術を行っている先生のところに直接行ったほうが納得できる説明を受けられるわけですから、それは理由にしないほうがいい、というか理由にならない。

 さらに、そこでその技術を用いる、確たる理由が施術者の側にあったとして、今度は、それを素人である患者さんにわかるように説明できなければ、効果は期待できないとも考えています。

 顧問とジョーブ博士が全く同じ関節モビライゼーションをやるとして(ジョーブ博士は整形外科医で手術をする人、そんなことはあり得ないんだけど)、どちらが可動域を広げることができるか・・・対象が野球選手であれば、間違いなくジョーブ博士でしょうね。施術者の経験・理論的な知識・病態に対する理解、全てにおいて顧問はジョーブ博士の足元にも及ばないからです。

 もし顧問に勝ち目があるとするなら、患者さんが野球選手でなく、かつ日本語しかできない人で、ジョーブ博士の名前を一度も聞いたことがない人、だった場合くらいでしょうか?でも見た目のいかがわしさ(笑)で顧問の負けですな・・・


 「後療法の効果は施術者によって左右される」

これは事実です。

「なぜ、その技術をここで使うか」

その説明ができて、かつ相手がその説明に納得できる、そういう関係をつくれる施術者を目指してほしい、と1年という節目を前にしてそう思います。


 まあ、ここのところメンバーでない学生も交えた、少年野球や空手大会でのファーストエイドの活動ばかりが活動報告を賑わしていますが、これにしてもまずは外傷・障害を理解できないと、いざ治療を行うとなったときに、どの引き出しから何を出すか、がわからないままになってしまうという意味で大切だと顧問は考えています。

 ここで話した、来年3月のセミナーは先方の会場の都合で流れてしまいましたが、MTIがやろうとしていることに興味を持ってくれている、その団体以外のところからも

「あれ、まとまりそう?」

と興味を持ってくださっています。こちらはMTIメンバーだけによるオリジナルな活動ですね、ここから今の3年生の卒業に向けてカタチにしていければ・・・MTI13人の刺客(4月からは増えるのか?)に期待しています。

2 件のコメント:

  1. キリヅキです。

    >「後療法の効果は施術者によって左右される」

    その通りだと思います。
    先生の授業でも学んだ通り、施術者の知識、技術、人柄・・・
    様々な事柄が合い重なって、後療の効果にあらわれてくる。
    そおゆうものだと、未熟ながらに感じました。

    >「なぜ、その技術をここで使うか」
    その説明ができて、かつ相手がその説明に納得できる。

    ここまでできて初めて患者に信頼されるのだろうなと思いました。
    こちらのエゴで治療をするのではなく、
    患者が自分を、自分の治療を必要としてくれる
    そんな治療家になりたいと思います。
    そのためには1日1秒を大切に、残りの大学生活を有意義なものにしたいです。今後とも御指導御鞭撻のほど、よろしくお願いします。

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  2. 今の私にはここで「なぜ、それを使うのか」ということが、ほとんど分からない状態です。
    MTIの活動も先生や先輩たちが教えてくれるまま、これはどんな人に効いて、どこを狙ってるのかとかは全然理解してなかったです。
    ただこうやってる、とかやり方だけを見ていたというか…

    これからの取り組みに、意識が変わりそうです。
    今の私は引き出しが少なすぎて全然引き出せないので、今のうちに基礎から勉強していきたいです。

    >MTIがやろうとしていることに興味を持ってくれている

    こういう人がいてくれるっていうのはすごくありがたいことだと思います。
    HPS2年チームは…ほとんど進んでいないので(汗)ちょっとずつ形のあるものにしていきたいです。

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